終活
「終活」とは「人生の終わりのための活動」の略で、人間が人生の最期を迎えるにあたって執る様々な準備やそこに向けた人生の総括を意味する言葉です。つまり迷惑をかけずにすっきり死ぬために、動けるうちに自分で準備を行うことです。
その背景には少子高齢化に伴う高齢者の死後の面倒を見る若者の絶対数が少なくなったことがあります。死後の準備をしておかねば遺族にかかる負担が大きいため、自ら準備をしようという試みが大きな社会の潮流となっています。
具体的な「終活」の事柄としては
〇生前のうちに自身のための葬儀や墓などの準備
〇残された者に迷惑がかからぬよう生前整理
〇残された者が自身の財産の相続を円滑に進められるための計画を立てておくこと
などが挙げられます。
準備:エンディングノートや遺言を書き残すことによって、どのように葬儀などを執り行うか、また財産分与(遺産相続)などの方法を事前に親族に伝えておきます。意思表示ができないような障害を負うと手遅れになりますので、認知症の症状が出る前に意思表示をしておく必要があります。
生前整理:生きて動ける間に行う、身の回りの物品の整理と社会的な関係の整理のことです。難しいことですが、大事なのは「欲」と「役」を捨てることです。
物理的物品の整理:孤独死や、別居する子供がいる場合でも、遺品整理あるいは“親家片”(親の家の片付け)の負担が大きな社会問題になっています。専門の遺品整理業者を雇う場合も多く、なかには悪質な業者もまざっていてトラブルになることも。体が動く間に、本人にとって本当に大切なできるだけ少量の物だけに絞っておくことが必要です。また、電子データやインターネット上の登録情報などのデジタル遺品について前もって整理しておく、ログインIDやパスワード等の情報を残して対応を決めておくことも必要でしょう。
社会的関係の整理:企業や団体で活動している場合には、健康なうちに後継者を育て、いつ動けなくなっても代役がいるように準備が必要です。またその人がいないと動かないような重要な役は降りて、身軽になっておく必要があります。
さて、質屋が「終活」に関係あるの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、それが大ありなんです。質屋を生前整理に利用されるお客様が近年増加してきております。それに伴い、終活カウンセラーの資格をもつ質店も増えてきました。人生の終焉に向けて様々な事柄を整理していく必要があるなかで、各種専門家と相談しながらよりよい人生のエンディングを迎えるための生前活動をお手伝いさせていただいてます。
大切にしていた指輪を娘にあげるといっても、こんな古いデザインの指輪なんかいらないと断られたり、お亡くなりになられた後でご親族の間で取り合いになったり、公平な形見分けというのが難しい場合もございます。それならばきちんとした相場感をもつ質店で換金して公平に分配できる準備をするという手もございます。
また亡くなった際に遺品が多いと、先述のとおり残された遺族皆さんはその片付けが大きな負担になる場合があり、安易に遺品整理をうたう業者に丸投げしてしまう場合があります。便利ではありますが、すべてが適正な価格で処分できたのかどうかといいますと、はなはだ疑問な場合もあるように思います。
せっかく大切にしてきた品物だからこそ、まだ元気で意識もしっかりしているうちに、信頼のおける業者を自ら選び、きちんと整理しておく必要があるのではないでしょうか?
担当 丸万質舗 川崎