
私は質屋になると同時に宝石ラボ(研究室)で鑑定士の勉強をしてしまったので(?)、残念ながら志のぶちゃんみたいな第六感がありません。
何年か前にラボの中のラボ、多分世界最高峰の宝石ラボ=アメリカ宝石学会(GIA といいます 笑)、を見学したことがあります。凄いセキュリティーで、何重にも分厚いドアがあって、確か身分証明(パスポートとか)がないと入れない。まさにラボだ!!みたいな。
そこに、お話の中にあるような、個人商店レベルでは設置できないような(多分億単位)高価な機材が並んでいました。なぜなら、ラボではあらゆる石の原子組成や光学的特徴の原因を分析して、いつ、どこで、どのように、どうして、どんな成分で、その石ができたのか?みたいな、DNA鑑定みたいなことをしているから。
一方で質屋にとっては、ルビーはルビーで。「どこで」以外はあまりお値段に関係ないのでラボほどの機材は必要ないのです。第六感もあるし!?
ところで、宝石鑑定士は「自分の販売する石の鑑別書は自分で書いてはいけない」という不文律があります。だから、私がいくら鑑定士でも、または第六感で(!?)うちに来る石がどんな来歴かがわかっても、鑑別書は作れません。お客様に安心してお買い物していただくために、公平な第三者=ラボに鑑別書を作ってもらう必要があるのでした。
質流れ品を売る以上、質屋とラボは切っても切れない関係なのです。
担当:和田質店 和田