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質屋が解説「〇〇に特化した質屋」

「○○に特化した質屋」

 

質屋が扱う品物といえば何を思い浮かべるでしょうか?

 

金、プラチナ、宝石、時計、ブランド品・・・このあたりはほとんどの質屋が取り扱っており、いわば質屋スタンダードといえるでしょう。質屋という職に就いた時から、師匠や先輩に品物の知識や相場感を叩き込まれ、それを日々アップデートしていく日々が始まります。その過程で、これまでに興味を持たなかった宝石に魅了されてみたり、○○○というブランドが大好きになってみたり。いいモノに触れられるのは、まさに質屋という職業の醍醐味でもあります。

 

もちろん、質屋が扱う商品はそれだけではありません。最近では、電気製品やiPhone・iPad、楽器、カメラ、ブランド衣類や電動工具、骨董など様々。なかには骨董やフィギュア、鉄道模型、釣り具、トレカまでを扱っている質屋さんもあるなど、品物の幅に限りはありません。一昔前なら着物や毛皮、スーツやラジカセ、ブラウン管テレビや冷蔵庫、洗濯機なども取り扱っていたようです。実は質屋が取り扱う品物は「時代をうつす」と言われており、その時に流行ったりみんなが憧れているものを取扱うことが多いんです。

 

 そうやって日々たくさんの品物に囲まれて商売をしていると、どうしても品物に対する店主の趣味が見え隠れする瞬間があります。商売ですので品物に差をつけるのはご法度なんですが、質屋といえども人。趣味の1つや2つはありますし、ハマり癖、収集癖がある人もいます。(七つ屋志のぶの宝石匣の読者の皆様ならお分かりですよね)

 

想像してみてください。

 

お客様がお持ちいただいた品物が「憧れていたもの」「自分では買えないもの」「訴えかけてくるような気がするもの」だった場合。欲しかった憧れの品物が目の前にあるんです。一度は諦めた夢が目の前にあるんです。それはもうトキメいちゃいますよね。そこにお客様から品物への愛を頂き、商品の知識を教えていただき、マニアの会話が始まると・・・商売っ気はどっかに飛んでいきます。ダメなんですが。舞い上がります。饒舌になります。話に花が咲きます。それはそれは満開です!

 

不思議なもので、そういった質屋には、なぜかそのジャンルの品物がどんどん集まってきます。次第に取扱実績も増え、品物の知識も増え、品物への愛もさらに深まります。詳しいとの自覚も生まれ、プロやセミプロと呼ばれる人たちも集まってまいります。気が付けば取り扱う品物のほとんどが、そのジャンルの品物だったり・・・

 

「○○に特化した質屋」の完成です。

 

ここまで特化する質屋さんはそう多くはありませんので、見つけた方はある意味幸せかもしれません。しかし、そういった質屋に悩みがあります。

 

「気が付くと質蔵の○○%がその商品で占領されてしまう」

「品物への愛が強すぎて相場以上の値段を付けてしまって損をする」

「ブランド品や時計、宝石をメインに扱っているお店を羨ましく思っちゃう」

 

そう、愛莉さんのお父さんの心の声、本当にあるような無いような。

 

最後になりましたが・・・

 

ここに記載の「○○に特化した質屋」さんでも、冒頭の質屋スタンダードと呼ばれる品物であったり、幅広く様々な品物を取扱ってることがほとんど。知識や相場感のアップデートも行っていますし、業界内外で情報収集にも積極的です。なじみの質屋さんができたら「こんなのもいける?」って気軽に聞いてみてくださいね。

 

 

質屋マルカ 加納