皆さんこんにちは!クリスマスも終わり年末の慌ただしさを感じつつブログを書いています。今年も残すところ後わずか、皆さまにとってどんな一年だったでしょうか。しちまるは久しぶりにコロナから解放された日々を送れて嬉しいです。
さて、12月25日(月)に講談社Kiss誌2月号が発売になりました。我らが二ノ宮先生の「七つ屋志のぶの宝石匣」も堂々の掲載です。お話は前回から引き続いて質屋バーゲンにお話です。志のぶをめぐって東西のアキちゃんが恋の鞘当てが見どころ。志のぶは刀剣が好きなので恋の鞘当ても好きかもしれませんね。
2回にわたって描かれた質流れバーゲンですが、皆さまはどう思われましたか?もしお近くで開催されていたらぜひ訪れてみてくださいね。へぇ、こんな世界もあるんだと思えること間違いなしですよ。ちなみに「七つ屋志のぶの宝石匣」、次回は休載、次の掲載は2月24日発売の4月号になりますので、よろしくお願いいたします。
最近読んだ漫画の話
私事になりますがロードバイクに興味を持ち、その下調べの一環として様々な自転車関連の漫画に没頭しています。競技志向の作品から日常系まで幅広いジャンルがありますが、私が特に夢中になったのは旅行系の漫画でした。今回は、荘司としお先生の名作「サイクル野郎」と大塚志郎先生の「びわっこ自転車旅行記」の2作品を紹介します。
「サイクル野郎」は1971年から1979年にかけて少年画報社の「少年キング」で連載された長期シリーズです。この作品は第2次サイクリングブームの真っ只中にスタートし、足掛け8年にわたる連載となりました。全37巻からなる単行本がありますが、現在は電子版でも楽しめます。私はAmazonのKindle Unlimitedでこの作品を読みました。貸本スタイルで、基本料金の範囲内で利用できるので、Kindle Unlimitedはおすすめです。
「サイクル野郎」の内容は昭和40年代の典型的なスポ根漫画で、ギャグが寒かったり下品だったりする場面やキャラクター同士が足を引っ張り合うシーンも見られます。最初はストーリーに戸惑いつつ読み進めていましたが、ページをめくるごとに当時の日本各地の風景に魅了されていきました。未舗装の砂利国道や活気ある地方都市の駅前商店街など、今では見ることが難しい失われてしまった日本の原風景が緻密に描かれています。これらは歴史的な資料としても価値があり、この作品自体がタイムカプセルのような感覚を覚えます。そういった視点で読み進めると、作品を本当に楽しむことができました。昭和へのノスタルージーを狙った作品とは異なり、実際に当時のようすを過剰に美化しないでそのままに描いてあるので、あざとさが感じられないのもいいですね。
「サイクル野郎」が昭和の日本描写ならば、次にご紹介する「びわっこ自転車旅行記」は現代の風景を描いた作品です。これは、すでにメジャー誌でデビューしていた大塚志郎先生が同人誌として発表したものが竹書房の商業誌に掲載され、まとめられたものです。
この作品は東京から滋賀県の実家まで自転車で帰る3姉妹の物語。最初は「きゃっきゃうふふ」と楽しげな「ゆるふわ系」の漫画だと思いましたが、実際には作者自身の経験を基にした、無謀とも言えるリアルな自転車ツーリングを描いています。酷暑の中ひたすら漕ぎ続けて峠を越えるシーンなど、体力的な困難や精神的な挑戦を通じて、自転車旅行のリアリティを深く伝え、読者に強い印象を与えます。自転車旅行の準備や心構えに関する実用的な知識も散りばめられており、非常に参考になります。これから無謀な自転車ツーリングを計画している人には、一読をお勧めします。「びわっこ自転車旅行記」は現在7冊出ており、他の巻もいい感じに仕上がっています。
これらの作品を通じて、自転車旅行の多様な側面を体験しました。「サイクル野郎」では過去の日本を探訪できますし、「びわっこ自転車旅行記」では現代の日本の風景を通じてツーリングのリアリティを伝えています。どちらも、自転車への興味を深める貴重な作品です。
自分自身、30年前にバイクにテントを積んで日本中を旅した経験があります。これらの漫画を読むと、その時の冒険が鮮やかに蘇ります。自由と発見に満ちた日々、途中で出会った人々との交流、そして未知の道を走るスリル。これらは、若い頃に自転車やバイク、ヒッチハイクで日本を旅したすべての人々に共通する、懐かしい情熱を思い起こさせるでしょう。昔旅人だった人、これから旅人になる人、 これまでもこれからも旅をしないという人、全ての人にこれらの作品を読んでいただきたいと思いました。