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講談社Kiss誌12月号の発売です。

こんにちは、しちまるです。「この暑さは終わらないのでは」と思っていた夏も、気づけば遠い記憶となり、10月下旬の今では朝の冷気に身を縮める日々です。曇りがちな空が続いていますが、それでも街角の木々の色づきは確実に秋の深まりを告げています。温かい飲み物が恋しい季節となりました。皆さまどうぞお風邪など召されませんよう、ご自愛ください。

さて、10月24日(金)に講談社Kiss誌12月号が発売になりました。今月号も我らが『七つ屋志のぶの宝石匣』の最新話が掲載されています。二ノ宮知子先生による美しい筆致で紡がれる物語を、今月もお楽しみいただけることでしょう。

©️二ノ宮知子/講談社

扉絵は、筋トレ用のダンベルに囲まれてくつろぐ虎徹。秋といえども、その楽しみ方はさまざま。食欲の秋、読書の秋……二ノ宮先生の今月のチョイスは「スポーツの秋」のようです。本編でもみんなが身体を動かしています。素晴らしい!私も見習わねば。

 

さらに「551蓬莱の豚まん」も登場。これだけで、誰の登場かピンと来てしまう読者も多いのではないでしょうか。久しぶりに食べたくなりました。今号のお話は、「スポーツの秋」と思わせておいて、実は「食欲の秋」でもありました。

ノーベル賞や政治家の発言が話題を呼んだ10月。さて、ここからは漫画紹介のコーナーです。

昨年の平和賞に続き、今年は化学賞と生理学・医学賞で日本人研究者が栄冠を手にしました。生理学・医学賞を受賞した坂口志文さんは免疫反応を抑える「制御性T細胞(Treg)」の発見とそのメカニズムの解明で受賞しました。この受賞でSNS界隈で盛り上がった漫画が清水茜先生の『はたらく細胞』です。

©️清水茜/講談社

体内を巨大な都市に見立てた本作では、酸素を届ける赤血球、侵入者と戦う白血球、そして今回注目の制御性T細胞たちが、汗とドラマに満ちた"お仕事物語"として描かれます。免疫システムが暴走しないよう調整する制御性T細胞の重要な働きも、キャラクター同士のやり取りを通じてスッと理解できます。というか、人間の免疫機構にここまで踏み込んで描くエンタメは稀で、読んでいて人体の仕組みの凄さに何度も驚かされる漫画です。スピンオフも『はたらく細胞BLACK』『はたらく細胞BABY』など数多く出ていますので、これを機にシリーズをコンプリートして"人体博士"になっちゃいましょう!

そして、もう一つの10月の話題作としてご紹介したいのが、久世番子先生の『ひらばのひと』です。

10月は自民党の総裁選が行われましたが、そんななか、国民民主党の榛葉幹事長が麻生太郎氏の事務所を訪れた件について記者から問われると、「麻生先生に『ひらばのひと』を借りに行ったんだよ、いいよね、久世番子先生!」とサラリ。記者たちを煙に巻いたこのエピソードがSNSで話題になりました。

©️久世番子/講談社

物語は、日本の伝統話芸である講談の世界を舞台に、前座2年目の龍田泉太郎が師匠・龍田錦泉のもとで修行に励む日々を描きます。講談は張扇で釈台を叩きながら軍記物や歴史物語を語る芸能で、落語とは異なる独特のリズムと、主人公の成長物語が織りなすドラマに引き込まれます。

 

実際に読んでみて、滔々と流れるような物語、そしてパンパン!と響く張扇の音に鳥肌が立ちました(漫画なのに音が聞こえるような錯覚を覚えるほどです)。「実際に聴きに行きたい!」と思わせる臨場感があります。政治家をも魅了する作品として注目を浴びているのも納得です。全6巻で完結していますので、今からでも手に取りやすい作品です。心からおすすめします。

科学の最先端から日本の伝統芸能まで、幅広いジャンルで私たちに驚きと学びを与えてくれる漫画の力。秋の夜長は『はたらく細胞』『ひらばのひと』で、知的好奇心と文化的豊かさを同時に体験してお過ごしください。

そうそう、久世番子先生はエッセイ漫画でもご活躍です。講談社Kiss誌で連載されていたアパレルエッセイ漫画『神は細部に宿るのよ』も非常に面白く、老若男女を問わず楽しめます。こちらもぜひ手に取ってみてください。

©️久世番子/講談社

しちまるでした、ではまた!